＜作者コメント＞

銅版画とリトグラフの上に手彩色を用いて”身体”をモチーフとして制作しています。
人は誰しも身体から逃れられません。生きている人間は、身体を通して世間とつながり、自分と他者を認識します。
亡くなった人間は、生きている人間の意識の中で再構築され、新たに身体を得ることが出来ます。”身体”とは、人間の究極の存在の証だと言えます。私は身体を通して人間の奥底を表現出来ればと思っております。

本個展では「乖離した身体」をサブテーマに展示します。本来は職業服であるナース服を女性が身に着けることで、エロティックなイメージと結びついてしまう不思議さ。それは他者からの視線と自己意識が乖離した状態であり、このよう
現象は現代が生み出した慣習であるといえます。作品を通して、常に社会に影響を受け翻弄される人間の面白さと危惧、そしてその奥底にある魅力について感じ取っていただければと思います。　

小林美佐子

「出会い」

銅版・リトグラフ・手彩色　55×53㎝　限定8部　2011年

「呼吸」

銅版・リトグラフ・手彩色　45×85㎝　限定５部　2011年

「うたかた」

銅版・リトグラフ・手彩色　39×50.5㎝　限定５部　2011年

「聖夜」

銅版・リトグラフ・手彩色　17.4×24.8㎝　限定60部　2011年

「正体」

銅版・リトグラフ・手彩色　66×65㎝　限定12部　2012年

「微睡」

銅版・リトグラフ・手彩色　56.5×70㎝　限定12部　2012年

「日常に潜む境界－覗く人－」

銅版・リトグラフ・手彩色　81×93㎝　限定10部　2012年

＜画歴＞

1985　神奈川県生まれ
2009　女子美術大学絵画学科卒業 卒業制作作品ＪＡＭ買い上げ賞受賞
2011　女子美術大学大学院美術研究科版画領域修了　修了制作作品大久保婦久子賞受賞

2008
第33回全国大学版画展買い上げ賞受賞（'10年買い上げ賞受賞）
2009
版画協会展入選（'10年 賞候補）
個展 Zainul Gallery ダッカ　バングラデシュ
ＣＷＡＪ現代版画展（'10年）
浜口陽三生誕100年記念銅版画大賞展準グランプリ受賞
2010
大野城まどかぴあ 版画ビエンナーレ展入選
個展 カフェ フランジパニ「小林美佐子個展－memory－」
個展 gallery forest 「小林美佐子個展－記憶の断片－」（東京・銀座）
2011
第11回浜松市美術館版画大賞展奨励賞受賞
第8回高知国際版画トリエンナーレ
2012
個展　シロタ画廊（東京・銀座）