SHIROTA Gallery シロタ画廊

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岩切裕子 新作展
2006年6月12日(月) - 6月24日(土)
A.M. 11:00 - P.M. 7:00 (日曜日休廊・最終日PM5:30)

bibliotheca lunae

以前プラハを旅したときに、修道院の図書館を訪れたことがあります。
そこは図書館というひとつの建物というよりは、どちらかというと大がかりな書斎という感じで、天井から床までびっしりと書棚がしつらえられていました。革装の重々しい書物が実に美しく並べられていて、実際に手に取ることはかないませんでしたが、眺めるだけで(中身がおそらく私には一字たりとも理解不能な言語であろうとも)、満たされたような気分になったものでした。

図書館を表すbibliothecaは、本来は「書棚(bibliothekai)」の意で、それが転じてたくさんの書棚が置かれた広間を指すようになりました。
紀元前3世紀、エジプトに建設されたアレクサンドリア図書館は、70万巻(当時の本は巻物状であった)超える蔵書を誇っていたのですが、あるとき柱の1本も残らずに忽然と消滅してしまいます。焼失したのか取り壊されたのかは不明ですが、わずかに残った文献によると、この大図書館の書棚には献辞としてこう刻まれていたそうです。『魂の治療所』と。

たくさんの本が並べられた書架の前に立つだけで至福を感じざるを得ません。その厚み、重さ、本の形状そのものもまた、私を惹きつけてやまないのです。

岩切裕子



「one, two,buckle my shoe」

作品データ:タイトル、種類、制作年、サイズ(cm)、限定、作品価格(内)

ドナウの家

木版  2004  52×62  20
¥73,500.−

 

das Schloss 〜村への到着〜

木版  2006  62×54  20
¥67,200.−

こうして、Kはさらに歩き続けた。しかし、道は長かった。彼の歩いている道は村の本道なのだが、城山には通じていなかった。ただ近づいていくだけで、近づいたかと思うと、まるでわざとのように曲がってしまうのだった。城から遠ざかるわけではなかったが、それ以上近づきもしないのだ。

『 城 』 フランツ・カフカ


In the Penny Arcade

木版  2006  54×37.5  40
¥58,800.−

そこには誰もいなかった。静寂がペニーアーケードの上に落ちていた。

『イン・ザ・ペニー・アーケード』スティーヴン・ミルハウザー


Water land

木版  2006  37.5×37.5  40
¥42,000.−

おとぎ話的言葉による、おとぎ話的アドバイス。しかしそれを言うなら、私たちの住んでいた場所からして、おとぎ話的だった。沼沢地帯の真ん中、1本の川の横の、水門番の田舎家。広い世界からは遠く離れていた。

『ウォーターランド』グレアム・スウィフト


白い果実

木版  2006  39×28  40
¥37,800.-

この世の楽園に実るという<白い果実>??あらゆる超自然的な力を持つというこの果実は、ガラス製の函に聖遺物然と収められ、長年のあいだアナマソビア聖教会の祭壇に祀り上げられていた。それは常に完熟した状態を保ち、決して劣化や腐敗を知ることがないともいわれていた。

『白い果実』ジェフリー・フォード


小さな寓話

木版  2006  32×28  40
¥37,800.−

 

one, two,buckle my shoe

和紙に木版、布、他  2005  11×11×11

関連情報:2003.6

 

お問い合わせは  shirota-gallery@mqc.biglobe.ne.jp

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