SHIROTA Gallery シロタ画廊

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李枝a JIMIN LEE
2005年12月12日(月) - 12月17日(土)
A.M. 11:00 - P.M. 7:00 (会期中無休・最終日PM5:30)


DELICATE DANGER, 2005

お問い合わせは  shirota-gallery@mqc.biglobe.ne.jp

個展に寄せて
 Jimin Leeの作品への接近は、顕になってくるものをどう受け止めるかということである。
 初期のころからそうした兆しはあったが、とくにバスタブ(1995)以降の作品は、一見何の変哲もないごく日常のありふれた身辺器物そのものが描かれるようになった。在るものと有るべきもののためにフォトエッチングを中心としたさまざまな技法が施されるが、結果、誰もが感得できるある気配が色濃く潜むことになる。
 隠喩である、と彼女は語る。私たちは潜んでいたある気配に導かれて、顕になってくる人の生−私たちとJimin Leeの−を受け止めることになる。
 彼女はソウル大学を修了後、日本政府給付留学生として東京藝術大学版画研究室で学んだが、さらにサンフランシスコ・アート・インスティチュートで研鑚した。現在は同地に居住してカリフォルニア大学のプリントメディアクラスの主任助教授を務めている。
 わが国での初の個展に期待すること大である。
版画家・中林 忠良
 Jimin Leeは現代生活における身近なモノ−本、エスプレッソ・コーヒーメーカー、ミキサーなどを素材にしてありふれたモノに隠れている多義性を探求する版画家だ。「私自身が普段接している、どこにでもあるような日用品をモチーフに選びます。」とLeeは述べる。「それらは単なる実用的な物ではなく、人間関係を比喩的にするものです。」
 1965年、韓国のインチョンに生まれたLeeは、ソウル大学で絵画のBFK(学士)を1990年に、版画のMFA(修士)を1992年に取得し卒業した。Leeは日本政府の奨学金により東京藝術大学版画研究室で中林忠良教授に学んだ。Leeはまたアメリカのサンフランシスコ・アート・インスティチュートで二つ目の版画のMFAを1997年に取得した。
 Leeが行った個展は以下の通り。シカゴのアンカーグラフィックス、ニューヨークシティー大学のQCCアートギャラリー、サンフランシスコのドンソーカーコンテンポラリーアート、ソウルのドゥアートギャラリー/ヒュンダイウィンドウギャラリー。
 主なグループ展としてはイタリア、ローマのイル・クアドラート・オメガにおける、「クロスワード:8人のアメリカ現代版画家展」、ドイツ、エッセンのザーレライン・ハーレ6における「伝統と革新2」などが注目を集めた。
 2006年の春には、ロスアンゼルスのアンドリューシアー・ギャラリーにて彼女の新作が発表される。
 Leeの作品は以下の美術館などに収蔵されている。サンフランシスコのファインアートミュージアム、ルジャース州立大学のジメルリアートミュージアム、ニューヨークパブリック図書館とニューヨークシティー大学のQCCアートギャラリー等。
 Leeは1995年より、サンフランシスコベイエリアに住んでいる現在はサンタクルツにあるカリフォルニア大学の助教授であり、版画プログラムの活動を率いている。
 なお、今回のシロタ画廊での個展に先立ち、12月7日(水・13:30〜15:30)京都造形芸術大学・人間館においてLeeの特別講義「方法としての絵画−写真、版、そして描くこと」が開催される。インタビュアーは東京藝術大学名誉教授・京都造形大学客員教授、中林忠良氏である。



THE BATHTUB-DEATH, 1995

TRANSCENDANT ORDINAIRE, 2003

(C)JIMIN LEE

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