Room1
2007.04.02
杉浦良允 展 (油彩)
4月2日(月)~7日(土) 11:00am~19:00pm (最終日17:30)
差異と関係が空間のなかで息づく六角形が面に分割され、各面はストライプの繰り返しで分割されて差異化される。 「図」と「地」の関係ができる。そこに進出と後退、凹凸、立体と平面などが重なり合う空間的イリュージョンが生まれている。 多重人格的な人物が現れてはいないだろうか。 ペインタリーな調子の背景に六角形なクリアーなストライプの断片が浮かんでいる絵画では、背景と断片の色彩は相互に浸透しあう。 背景と断片は「地」と「図」として分離されているのに連続している。 風景を風が吹き抜ける。 立体ではストライプの実際の空間とイリュージョンの空間が混沌としている。 モビールはコンストラクション(構成)の彫刻と同じように虚と実が通じあい融けあう。 背景の現実の空間も作品の一部となっている。 分割と繰り返し、色彩の差異などによって20世紀美術の主題だった「地/図」関係が再検討されている。 この還元的な差異と関係が、人物画や風景画、彫刻などの「背景/前景(地/図)」関係を脱臼して息づく空間としてよみがえらせたいる。 (早見堯 はやみたかし)美術評論家 |