中村安子 展

2007年1月22日(月) - 1月27日(土)

A.M. 11:00 - P.M. 7:00 (最終日 P.M. 5:30)

シロタ画廊

東京都中央区銀座7-10-8

Tel: 03 3572 7971 Fax:03 3572 7972

--関連情報--

中村安子氏 略歴
  東京学芸大学美術科卒
  現代美術研究所で3年間学ぶ
個展
1965年 夢土画廊(二人展)
1979年4月 シロタ画廊
1980年9月15日〜20日 シロタ画廊
1982年4月 シロタ画廊
1983年10月24日〜29日 シロタ画廊
1984年10月1日〜6日 ぎゃらりぃセンターポイント
1985年9月16日〜22日 真木画廊
1992年7月 シロタ画廊
2000年・01年 栃木県馬頭町
2002年8月 那珂川町馬頭広重美術館
2003年・04年 栃木県馬頭町
グループ展
1980年代〜90年代
「東京展」
1992年11月14日〜23日 「ART TRIAL」高尾山日影沢キャンプ場ウッディハウス愛林
1994年9月26日〜10月1日 「磁場展」すみだリバーサイドホールギャラリー
1999年9月28日〜10月6日 「JAALA+KOREA展」 ソウル市立美術館
2001年8月 「かわさき平和美術展」
2003年〜06年 「NO WAR 横浜展」
2006年 「日露韓交流展」ウラジオストック

 中村安子は日本アジア、アフリカ、ラテンアメリカ美術会議(略称:JAALA)の会員で、丸木美術館で毎年8月にひらく〈今日の反戦展〉にも出品している。したがって、1970年代以来、一般に社会的主義を喪失してしまった日本の美術界では、社会意識の明確な方といえる。その彼女から9月に、反戦というと構えて硬くなりがちなので、次の個展には自分の息子を思う気持に集中したら、難なく表現できそうだ、という手紙が来た。

 ところで、そのころわたしが読み終えたのは、アントニオ・ネグリとマイケル・ハートの共著『マルチチュード』(NHK出版)である。これはアフガン・イラク戦争も、米軍だけでなく国連軍、同盟国軍、多国籍軍、多国籍企業などのネットワークによるとの分析ではじまる。まして反戦運動は人種差別、女性差別、障害者差別などで分断されながら、公と私の分裂をこえ、議会制の限界もこえて絶対的民主主義をめざし、移民相談所、女性センター、インターネット・カフェなど無数の小さなコアをつくる。それらを統一する必要はなく、むしろ小コアの差異性を重視しながら、戦争勢力以上にネットワークをひろげることが課題だというあたりに、わたしは大きな開放感を味わった。とすれば、私生活をみつめるのも、反戦運動にとってけっしてうしろ向きではありえないからだ。 (針生一郎)

 

   

   

(c) Yasuko Nakamura