第5回 橋本勝 油彩展
2006年10月2日(月) - 10月7日(土)
橋本勝
中央美術協会会員
横須賀美術協会会員
シロタ画廊
東京都中央区銀座7-10-8
私はかねてから現代社会とサイエンスとのかかわりに興味を持ってきました。
それはサイエンスへの挽歌ではなく、賛歌という視点からです。
サイエンスの中に発見する美を通じて、現代社会との結びつきが描かれたと思っています。
中央美術協会 1994年 安田火災美術財団奨励賞 1996年 東京都知事賞 1999年 中央美術協会賞 ・横須賀市洋画家招待展出品 |
作品紹介
橋本氏の出自は「材料分析屋」である。長年、科学技術の真っ只中で生きてきたこともありサイエンスヘの思いは人一倍強い。
グルーブ展より一人で苦楽の全責任を負う個展に全力を注ぎ、敢えてそれを選択してきた橋本氏の厳しい性格も作品に姿を見せる。
この橋本氏の創り出す緻密なまでの構成力は、一見メタリックな印象を受ける。しかしそれを凝視すると、ある瞬間その無機質は有機質に変貌する。その時、橋本絵画は現代社会とのコンプレックス(複合体)としての姿を現す。現代社会の構築物のもつ美と、そこに潜む不安感・不安定感のような雰囲気を醸し出しながらも、単なるサイエンスヘの挽歌ではなく、未来への賛歌が画面から漂う。
橋本氏の特技に「肖像画」がある。ある企業の月刊誌の表紙を十数年に亘って飾り続けている。橋本「肖像画」はまさに「有機質」の極致である。
橋本氏の心の奥底をこの個展から探り出して頂ければ幸いである、
並川 汎(美術評論家)